ジャーナル(査読誌)

『組織科学』2008年以前の寄稿者の皆様へ -掲載論文のweb公開について-

組織科学』2008年以前の寄稿者の皆様へ

 

−掲載論文のweb公開について−

 

特定非営利活動法人 組織学会

 

会長 新宅純二郎

 

日頃より、組織学会の活動にご協力いただきましてありがとうございます。

この度、学会誌『組織科学』に2008年以前に掲載された過去コンテンツをweb上で公開する運びとなりました。つきましては、当該期間に『組織科学』に寄稿された著作者の皆様に、公開の可否に関するご確認をお願い申し上げます。

 

学術研究の成果を広く社会に公開・還元することは、学術団体として、また特定非営利活動法人として重要な使命と考えております。1967年の創刊以来、『組織科学』は、1300本を超える研究論文を掲載し、学会員による研究成果公開の主要手段として大きな役割を担ってきました。200­9年以降は、『組織科学』に掲載された論文をインターネット上で公開するために、「著作物利用許諾契約」制度をスタートさせました。

制度運用を開始した2009年(第43巻 第1号)以降の論文については、学会webページ上で、フルテキスト閲覧が可能となっております。また、2012年にJ-STAGE登載を開始し、第46巻 第1号よりJ-STAGE上でも書誌情報・フルテキストが閲覧可能です。学会webページ・J-STAGEで公開されている論文は、原則として、だれもが無償で閲覧できるオープンアクセス状態にあります。広く研究成果にアクセスしてもらえることは、寄稿者にとっても大きなベネフィットとなっております。

しかしながら、2008年以前に掲載された約1100本の論文については、学会webページに書誌情報が掲載されているのみで、本文を閲覧することはできない状況です。その理由は、学会誌に掲載した論文をインターネットで公開する場合、著作権者の了解が必要とされることにあります。過去論文の寄稿者には故人も含まれ、約1100本の論文すべてについて、全著作権者の意向を個別に確認するためには膨大な労力が必要となります。

 

他方、web上で閲覧できない2008年以前の論文のなかには、今日でもなお学術的な価値が高いものが少なからず見受けられます。こうした論文を閲覧するためには、所属する研究機関の図書館などに足を運ぶ必要がありますが、新型コロナウイルス感染防止対策として図書館サービスが停止した事例などを見るに、オンライン公開の意義は大きいものと考えられます。また、過去論文の寄稿者にとっても、自身の研究業績がオープンアクセスとなり、広く一般に閲覧・参照してもらえる可能性が高まることは意義あるものと考えています。

 

学術研究の成果を広く社会に公開・還元することが、学会の第一義的な役割であるとの認識に鑑みて、過去コンテンツのフルテキストをweb上で公開する方針が、6月5日開催の理事会・評議員会合同会議おいて承認されました。

 

2008年以前の掲載論文を、2009年発効の「著作物利用許諾契約」に準じて取り扱い、J-STAGEや学会webページなどで公開してまいります。

これは、2008年以前に『組織科学』に掲載された論文すべてを対象とした包括的な方針ですが、インターネット上での公開を希望しない場合には、公開対象から除外いたします。この通知より3ヶ月以内に、下記の要領にて組織学会事務局まで、電子メールにてお知らせください。また、3ヶ月経過後でも、非公開希望のお知らせを受領次第、速やかに当該論文の公開停止措置を講じます。

 

なお、公開を承諾される場合には、ご意向をお知らせいただく必要はございません。

 

研究成果の公開という、学会にとって重要な使命を果たしていくために、ご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。

 

 

インターネット上での公開を希望しない場合の通知

通知事項

    • 氏名

 

    • 所属

 

    • 連絡先(電子メール)

 

    • 除外を希望する著作物(巻号・タイトル)

 

通知先:組織学会お問い合わせフォーム

組織科学の執筆・投稿規程およびトランザクションズの執筆要綱のAPA第7版準拠に伴う変更について

組織科学やトランザクションズは、APA (アメリカ心理学会)スタイルに準拠しています。APAスタイルが第6版(2009年版)から第7版(2019年)に改訂されたため、それに対応して組織科学の執筆・投稿規定は2019年12月6日から、トランザクションズの執筆要綱は2020年1月の研究発表大会報告申込時から一部を変更いたします。今後の申し込みの際には、最新版の執筆・投稿規程、執筆要綱をダウンロードし、それに則って作成してください。特に大きな変化は以下の2点です(組織科学の例)。

    • 出版社の所在地(都市名・国名)の記載が不要になった。
      35. 【参考文献の記載方法】 参考文献の記載は以下の形式に従うこととする。
      A)書籍
      1 野中郁次郎(1974).『組織と市場-組織の環境適合理論-』千倉書房.
      2 野中郁次郎・加護野忠男・小松陽一・奥村昭博・坂下昭宣(1978).『組織現象の理論と測定』千倉書房.
      3 Nonaka, I., & Takeuchi, H. (1995). The knowledge creating company: How Japanese companies create the dynamics of innovation. Oxford University Press(梅本勝博訳『知識創造企業』東洋経済新報社, 1996 年).
    • 論文中に3人以上で書かれた共著論文を引用する際に、従来のように全員の名前でなく、”第一著者1名の名前「ほか」”と書くことになった。

34. 【本文中での引用表記】
C) 著者が3名以上の場合には、初回の引用から「野中ほか(1978)」、「Imai et al. (1985)」のように、第一著者に続けて「ほか」(日本語の場合)、「et al.」(外国語の場合)を用いることとする。

組織科学

学会誌『組織科学』は、組織学会が編集し、白桃書房より発行している学術雑誌です。年4回刊行し、日本の組織論や経営学の分野において最先端の研究論文を掲載しています。組織の諸問題に関し、経営学、経済学、行政学、社会学、心理学などの分野から学際的にアプローチしていることで高い評価を得ております。

組織科学編集委員会

  • 担当理事・編集委員長 島本実
  • 担当評議員・副編集委員長 稲水伸行・立本博文・古瀬公博
  • 委員 大木清弘・尾形真実哉・島貫智行・清水洋・福嶋路・水越康介・山下勝・山田仁一郎・山野井順一・吉村典久
  • 幹事 秋池篤・加藤敬太・砂口文兵・積田淳史・林祥平・福澤光啓・渡辺周

組織科学の理念

1967年に創刊された組織科学の発刊の辞には、「今日の学問的研究の段階は専門科学のインテグレーションによらなければ、飛躍的発展は望み得ない段階にきている。 ことに、現代的問題である組織の問題はすぐれて、インターディシプリナリー(学際的)な研究を要請している。組織学会はこの要請にこたへる。 そして、『組織科学』は組織問題のこのインターディシプリナリーな共同研究の広場である。その対象とする組織は具体的には経営組織の問題が中心になろうが、しかし、その範囲は広く、現代的課題としての組織問題一般である。 そして、それは関連専門科学及び経営実践の種々の観点から多角的に掘り下げられ、それらが、この共同の広場である『組織科学』でコミュニケートされ琢磨される。さらにすすんでこれらの総合化、統合化の努力が行われる。 そして、われわれのこれらの研究成果は『組織科学』の名称の示す組織科学の集約化され、組織科学という新しい学問の理論とその体系化がきずきあげられなければならない。」とあります。

広い意味での組織の現代的な課題を研究対象とすること、さまざまな研究分野の多角的な観点からの研究を行うこと、各分野の研究成果を統合することの必要性は、今日でもまったく変わらないばかりか、ますますその要請が高まっていると言えましょう。組織科学は、初心を忘れることなく、多様な最先端研究の協働の場となるべく、急速な技術の発達や国際化、社会構造の変化等を背景とした現代的な組織の諸問題に取り組んでいきます。

『組織科学』に掲載される論文は、編集委員会で取り上げたテーマに関する「特集論文」と、会員が自由なテーマで投稿した論文を査読の上掲載する「自由論題」から構成されています。
「特集」は、寄稿論文のみで構成する号のほかに、テーマに沿って会員から募集した投稿論文を、査読の上掲載する号もあります。その他に、最近出版された内外の研究書の「書評」、会員の研究、教育、その他の活動に関する話題をとりあげる「視点」、会員の海外経験についての「海外レポート」も掲載されています。

投稿をお考えの方・寄稿される方へ

正会員は「自由論題」での投稿ができます。 投稿にあたっては執筆・投稿規定・投稿マニュアル・投稿可能な未刊行論文についてをご参照のうえ、論文投稿システム(Editorial Manager)を使って投稿してください。論文投稿システムご利用の際は、アカウント登録マニュアルに従って登録する必要があります。

シニアエディター制度

『組織科学』編集委員会は、投稿論文の迅速な審査のためにシニアエディター(以下、SE)制度を採用し、個々の投稿論文審査についての権限をSEに大幅に委譲しています。投稿論文は、学問分野・研究領域を考慮した上で、編集委員会によって任命された SEのうち一人に割り振られます。担当SEは投稿者と匿名レフェリーとの間に入り、審査プロセスを推進します。SEは、通常のケースでは二名の匿名レフェリーを任命し、レフェリーによる査読結果を総合して、投稿論文の採否に関する判断を行ないます。審査結果は、下記のいずれかです。

  1. 採用(無条件もしくは修正条件付き)
  2. 改訂後再審査
  3. 不採用

SEは、投稿から二ヶ月以内に最初の審査結果が投稿者の手許に届くよう努力します。その際には

  1. 掲載の可能性
  2. 掲載の場合には、無条件な掲載か条件付きか
  3. 条件付き採用および改訂後再審査の場合には、改訂の方向性を、投稿者に明確に伝えます。

シニアエディター ※印は編集委員兼任 (2019年9月1日変更)

青島矢一・網倉久永・安藤史江・石川淳・大木清弘※・尾形真実哉※・勝又壮太郎・加藤俊彦・河野英子・近能善範・島貫智行※・清水洋※・妹尾大・高尾義明・竹田陽子・坪山雄樹・中村洋・西村孝史・服部泰宏・福嶋 路※・福地宏之・藤原雅俊・松尾睦・松嶋登・松本雄一・松本陽一・水越康介※・安田雪・安本雅典・谷地弘安・山下勝※・山田仁一郎※・山野井順一※・吉村典久※

『組織科学』掲載論文の「著作物利用許諾契約」について

特定非営利活動法人組織学会は、会員による研究成果を広く社会に公開していくことを目的としております。研究成果発表の主要な場である学会誌『組織科学』については、インターネットを通じた掲載論文の電子的公開を積極的に奨励する一方で、印刷体による発行を継続して参ります。ただし、印刷体として出版されたコンテンツを、寄稿者の個人Webページや所属機関のレポジトリなどを通じて電子的に公開することで、知的所有権に関連する問題が発生する可能性があります。潜在的なトラブルを回避し、研究成果の公開をスムーズに進めるために、寄稿者と組織学会の間で著作物利用に関する権利・義務関係を明示し、『組織科学』発行に際して「著作物利用許諾契約」を取り交わさせていただきます。

「著作物利用許諾契約」の主旨は、寄稿者(著作者)の保有する知的所有権に関連する諸権利のうち、『組織科学』として出版する目的のみに限定して、著作物を編集・複製・頒布する権利を組織学会にライセンスすることにあります。本契約を締結すると、初出が『組織科学』であることを明記することを条件に、以下の各事項について組織学会および出版頂く先からの承認が不要になります。

  1. 他の印刷媒体への著作者自身による転載(加筆修正を含む)
  2. 教育機関での著作者自身による授業のための複製

一方、『組織科学』として出版された論文等の版面や編集の過程で加工・修正・翻案ないし作成した図表等については、複製・頒布・二次利用の権利を組織学会および出版委託先が管理いたします。そのため、著作者自身のWebページや機関リポジトリなどを通じて著作物を電子的に公開する場合には、著作者自身の作成による最終原稿を用いていただきます。

本契約制度についてのご質問・ご意見は、編集委員会までお寄せ下さい。『組織科学』に寄稿される際には、本契約制度の主旨をご理解いただき、組織学会との間に「著作物利用許諾契約」をご締結いただきますよう、お願い申し上げます。なお、本契約制度は2009年1月より運用を開始しており、2013年9月25日より、契約の内容を一部改定いたしました。

 

英文年報

日本の優れた経営学研究を国際的に発信するために、英文年報(別冊特別号)をスタートしました。J-STAGE上でのみ発行し、Annals of Organizational ScienceInternational Special Issue of Organizational Science)という 名称で、組織科学の特別版という位置づけです(組織科学本誌としての発行ではありません)。 J-STAGE上の組織科学の各巻の第5号が英文年報にあたります。過去に高宮賞を受賞した論文を中心に今後も、組織科学ひいては組織学会の国際的発信を強化するために継続して発行していきます。なお、アクセス制限はありません。

組織学会大会論文集(トランザクションズ)

大会の報告論文は、所定の要件を満たしたものについては、希望すれば、独立行政法人科学技術振興機構(JST)のオンライン・ジャーナル・システムJ-STAGEの 『組織学会大会論文集』 Transactions of the Academic Association for Organizational Science (以下、「トランザクションズ」と略称)に登載されます。トランザクションズ掲載論文にはDOI (Digital Object Identifier)も付与されます。

トランザクション掲載の報告要旨に関する知的所有権は、『組織科学』での著作物利用許諾制度(https://www.aaos.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/licence-info.pdf)に準じて取り扱います。トランザクションズ用原稿の提出をもって、コンテンツの編集・公開に関する上記取り扱いに合意いただいたものとみなします。

トランザクションズ編集委員会

  • 編集委員長 福嶋路
  • 副編集委員長 尾田基
  • 委員 神吉直人・河野英子・篠崎香織・高尾義明・西野和美・藤村まこと・横山恵子・吉野直人

速報性と国際発信のために

トランザクションズは、速報性と国際発信を重んじるオープン・アクセスのオンライン・ジャーナルとして2012年に創刊されました。組織学会の大会において報告され、かつトランザクションズに投稿された論文の中からトランザクションズ編集委員会が採択したものが掲載されます。トランザクションズに掲載された論文は、J-STAGEを経由して、その書誌情報がGoogle ScholarやEBSCO hostに提供され、全世界からの英語での論文検索の対象になります。そのため、トランザクションズ掲載を希望する場合は、

  1. 論文タイトル
  2. 報告者名・所属
  3. 要約
  4. キーワード
  5. 参考文献リスト

をすべて英文で作成し、原稿は指定のWordのテンプレートを使って作成し、電子データで提出することが要件になります。原稿作成の際は、執筆規程執筆要綱したがってください。特に注意を払っていただきたいのは、5. 参考文献リスト“References”です。トランザクションズでは、英語もしくはローマ字でAPAスタイルの参考文献リストを作成することが必須となります。APAスタイルの例は執筆要綱にも挙げられていますが、特に注意がいるのは、たとえ日本語文献でも、”日本語のローマ字表記 [英文表記]” にし、最後に (in Japanese) をつけなければならないことです。詳細について学びたい人は、APAスタイルのテキストとして、
Publication Manual of the American Psychological Association: The Official Guide to Apa Style
その翻訳版『APA論文作成マニュアル』も市販されていますので、国際発信の基礎知識として、この機会にぜひ習得してください。

なお、投稿の前にはこちらのチェックリストを使って、本文と参考文献リストと英語要旨 (abstract) が執筆要綱に合致したものになっているか、必ず確認して下さい。書式や参考文献リスト、英語要旨の不備は、リジェクトの理由になりますので、慎重な確認をお願いします。